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劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケールの感想です。
TV版ではずっとVR(仮想現実)を扱ってきたけれど、この劇場版はAR(拡張現実)を扱った話。街中がゲームの世界になっちゃうというものでした。設定自体は面白かったんだけどなあ…。
率直に言うと、ビミョーだったね。
以下、ネタバレあります。
ARが活きてこない
ARを使ったゲーム、オーディナルスケールはすごく面白そうだった。そこは間違いないです。あと、作画も綺麗だった。アクションシーンはさすが劇場版といったところ。気合いの入った、迫力ある作画でした。
ただ、問題なのが脚本だね。せっかくテーマがARなのに、その設定があんまり活かしきれてなかったね。もっとARらしさを存分に盛り込んでほしかった。
極めつけはラストのバトル。敵の思惑を止めるにはアインクラッド100層のボスを倒す必要がある!ってなったわけだけど、これがな。やっぱりVRがやりたかったんかい!ってなってしまった。わざわざVRで決着つけるのなら、ARをテーマにして話をしてきた意味がないしな。ARはあくまでもVRの劣化版でしかないって結論になったのはすごく残念だった。
テーマがARなら、ぜひARの中で物語が完結してほしかったな。
機械外しても死ぬわけじゃない
ラストについてはもうちょっと。相手側の作戦が微妙だった。モンスターを暴れさせて観客と戦わせたところ。ライブを開催してSAOサバイバーを会場に集めて、記憶を総取りするんだっていう作戦。「アインクラッドモンスターは経験値稼げる」ってのを事前に植え付けたから、観客はモンスターと戦うのをやめないのだ!ってのは無理がある気がする。作戦がチープだよな。そう簡単にはいかないだろう。
そもそも、観客側は危ないと思ったなら頭につけた機械、オーグマーを外せばオッケーなんだよな。SAOの時と違って、外したら人体に危険がおよぶわけでもないし。キリトたちも外せ!外せ!言うだけで。
記憶をとられるのなら、各プレーヤーのもとに走って回って無理やりオーグマー外しちゃえばよかったんだよな。ARでは剣振ってるひとも、現実じゃただの素振り。近づいて外すのもそんなに難しくないだろう。
敵側の作戦が甘い気がするし、それにあっさりはまってくれる観客も観客です。
まとめ
キリトが竹刀の素振りしただけでランク上位者になれちゃったのはまあ目をつむるとして、展開の要所要所でご都合主義を感じたな。
設定は面白かった。梶浦サウンドも良かった。作画は素晴らしい。シナリオ自体も、親父が危険をかえりみず娘を生き返らせようとしたってのはグッときたし、ラストのメンバー総出のバトルはアツかった。
やっぱり、そこに持っていく過程がちょいと無理があったな。
おまけ
ちゃっかりワグナリア出てたね。冒頭で女子3人がケーキ食ってたところ。WORKING!とSAOが同じA-1Pictures制作ってことで遊んだのかな。
あと、ラストの直葉のセリフ。「島根」「パソコン」「無い」でデジモンを連想してしまったのはきっと私だけではないはず。WORKING!と違ってSAOとデジモンは何ら関係ないはずなので、偶然のはずなんだけど。どきっとした。
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